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《降谷夢》bonheur {R15}

第71章 懸命




「そこの眼鏡の男と妊婦も早くこっちに来て座れ!」


私達は大人しく両手を上げながら
客達が集まる場所へと歩き、地べたに座った。


人質は銀行の職員や私と秀一くんのような客を含めて大体20人くらい。全員を1箇所に集め終わると、犯人の1人が袋を取り出した。


「今から全員のスマホを回収する。
他にも連絡の通信手段になるものは全部出せ。」


銃を向けたまま、一人一人からスマホ等を回収する犯人…
私と秀一くんも大人しくスマホを袋の中にいれた。


私達の前から犯人がいなくなった後、
秀一くんが私にこっそり耳打ちしてきた。



「降谷くんに連絡は?」

『さっきした。でもたぶん
ワンコールくらいしか掛けれていないと思う。』

「ふっ…十分だ。」



実はスマホを回収される前に
ポケットに入れていたスマホをこっそり操作して、
零くんに着信だけ残すことには成功した。




…零くん……
  



私は今こんなお腹だから何も出来ないし…
早く助けに来てね…?


側に秀一くんがいてくれるのは心強いんだけど…
きっとこの犯人達は…





『っ…!!…うそ……』

「美緒…?どうした?」

『あ、はは…流石あの人の子…
事件に巻き込まれたのが分かって出てきたがってる…』

「!!おい…それはまさか…」

『う、ん……陣痛…きたみたい…っ、いったぁ…』



なんでこのタイミングで…!?
まだ予定日まで3週間もあるのに!


秀一くんは私の身体を心配して
犯人達に私だけ外に出してくれるように頼んでくれたけど
お願いしたところで聞いてもらえるはずも無く…
秀一くんはこっそり舌打ちをしていた。

そんな時、私の隣に座っていた60代くらいの女性が私に声を掛けてきた。



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