第70章 報告

『ねぇ松田くん、エリスとは最近会ってる？』

松「あー…昨日会った。」


エリスから松田くんへの気持ちを聞いた日。
彼女は電話で松田くんを呼び出し、その日のうちに告白したと聞いた。

松田くんはエリスのことを好きとは言わなかったらしいけど
気にはなってる、と言われたらしくて2人はそのまま恋人関係に進展した。


松田くんは私の質問に対して
照れ臭そうに頬を染めていたから、これはもうエリスのことが好きなんだなって分かった。


『エリスのこと、大事にしてあげてね！
泣かせたりしたら容赦なく殴らせてもらうから！』

松「…心配すんな。あいつを傷つけたりはしねーから。」

それなら安心だ。
松田くんならきっとエリスのことを幸せにしてくれるだろう。

零くんの作ってくれた飲み物を飲みながら松田くんとエリスの幸せを願っていると萩原くんが声を上げた。


萩「そういえばさ、ずっと聞きたかったんだけど
美緒ちゃんって何か国語喋れるの？」

『えぇ？急にどうして？』


萩原くんのいきなりの質問に驚き詳しく聞いてみると
ハロウィンの事件の時にロシア語を聞き取れていて
さらにフランス語も話せることをエリスから聞いたから
なんとなく気になったそうだ。



『言ったことなかったっけ？
話せるのは英語とフランス語とロシア語と中国語。
ドイツ語とイタリア語なら簡単な挨拶程度なら話せる。
小さい時に両親に教わったの。』


松「…お前の英才教育ハンパじゃねぇな。」

『そうかな？
でもフランス語だけ大学にいる時にマスターした。
なんか響きが良くて覚えやすかったよ？』

萩「そんなこと言えるのは
きっとこの世で美緒ちゃんだけだよ？」


…いやいや。近くにもう1人いるよ。


「C'est facile d'apprendre le français.
（確かにフランス語は覚えるのは簡単ですね。）」


「「「っ、！？」」」


…ほらね。