第70章 報告
翌朝。
久しぶりにぐっすり眠れたなと思いながら目を開けると
隣にいた零くんはすでに起きていて私の頭を撫でてくれていた。
「おはよう、美緒。」
『おは……、うっ…!』
体を起こすと同時に襲って来た吐き気…
やはり朝はだめだ。
急いでトイレに駆け込んで嘔吐していると
零くんは私の後を追ってきてくれた。
『…ふー…おはよう零くん。』
「まさか…毎朝なのか?」
『うん。でもちょっと慣れてきたよ。』
つわりの症状が出始めてから3日目。
朝はどうしても空腹になるせいで、
こうやってトイレで吐くところから私の朝は始まる。
『零くん今日仕事は?』
「今日は昼からポアロ。夜は警察庁だ。」
ってことは昼までは一緒にいれるんだ。
ちょうどよかった。
『あのね、零くん、』
「分かってる。今後の事、色々話したいんだろ?
まだ朝の5時半だから、後でゆっくり話そう。」
…私の言いたい事なんてお見通しか……。
まだ早朝なのに頭の回転すごく早いな。
『なんか以心伝心してるね。夫婦っぽい。』
「ぽい、じゃなくて夫婦だろ。」
『……そうでした。』
なんだかくすぐったい…
つわりは辛いけど、朝からとても幸せな気分になった。