第69章 異変
『私がエリスの立場だったら、ちゃんと気持ち伝えるよ。
言わない方が後悔すると思うし。』
瑞「私も美緒と一緒。好きなら好きってハッキリ言いな?
あ、今から松田に電話してみる?」
瑞希はニヤニヤしながらエリスの方を見ており
エリスの顔はみるみるうちに赤くなった。
エ「もう!やめてよ瑞希!」
恥ずかしがってるエリスが可愛くて私と瑞希はクスクス笑っていた。
彼女のこんな可愛い一面を見るのは初めてで、自然と笑みが溢れたんだ。
『私と瑞希はエリスのこと応援してるから!!
松田くんって何とも思っていない人と喧嘩なんかしないし
エリスには心開いてるんだと思うよ。』
瑞「あ、確かにそうね。
あいつ見た目は良いから警視庁で結構モテてたけど
話しかけてくる女性警察官いても大抵無視してるし。」
瑞希がそういうと、分かりやすくホッとしているエリス。
そんな表情もまた可愛かった。
エ「2人のお陰でなんか勇気が湧いてきた!!
よしっ!今度会った時に告白する!」
『それでこそエリスだ!頑張って!』
瑞「また報告待ってるからね!
じゃあそろそろエリスが持ってきてくれたケーキでも食べよっか!」
ケーキ…!?それは楽しみだ!
瑞希がキッチンからケーキを置くためのお皿と紅茶を持ってきてくれて
早速頂こうと思いフォークを手に取ると
なんだか急に胃がムカムカして、吐き気が襲ってきたので口元を押さえた。
瑞「美緒?どうしたの…?」
エ「顔色悪いけど…大丈夫?」
『っ、ごめん……ちょっとトイレ借りる…』
急いでトイレに駆け込んだ私は、
人様のトイレにも関わらずちょっとだけ嘔吐した。
でも全くスッキリしなくて、体がすごく怠く感じた。
なんか傷んだ食べ物でも食べたっけ……?
…いや、それは無いな。
昔は全く気にせずに古くなった物も食べていたけど
零くんと住むようになって注意されてからはそんな事なくなったから…。
零くんはいつも食材が傷まないうちに使い切ってくれるからね。