第69章 異変

瑞「それで？松田に気持ちは伝えないの？」

エ「伝えたってどうせフラれるよ…。
いつも喧嘩ばっかりしてるんだよ？
それに松田は…美緒のことが好きだったんでしょ？」

『！！それはもう昔のことだから！』

っていうかなんでその事知ってるの！？
私も瑞希も話していないのに！


瑞「ねぇ、エリス。それは誰から聞いたの？」

エ「瑞希の旦那さんよ。
この前私の美容院に髪切りに来てくれた時に教えてくれたの。」


ちょっと萩原くん…何言ってくれちゃっての！？
わざわざそんな事エリスに話さないでよ！！



瑞「…ごめん美緒。
研二はちゃんと叱っておくから。」

『うん。キツめに叱っておいて。』


確かに私と松田くんは色々あったけど
零くんが松田くんとちゃんと話してくれてケリはつけたって言ってたし…
何も心配することなんてないと思うんだけどな…。



『ごめんねエリス…不安にさせちゃってたよね？
エリスの松田くんへの気持ち、何となく分かってたから
言わない方がいいと思って黙ってたの…本当にごめん…』


エ「ちょっとやめてよ！
美緒は何も悪くないじゃない！！
少し羨ましいなって思っただけだからそんな謝らないでよ。」


私のせいでエリスが落ち込んでるのかと思ったから
そう言ってくれた事でかなりホッとした。


瑞「松田は口は悪いけど、いい奴だもんね。
友達思いだし、ぶっきらぼうだけど意外に優しいとこもあるから。」


エ「うん…。当分は仕事が恋人って思ってたのに
気がつくとアイツのことばっかり考えちゃって……
ねぇ、私どうすればいいかな…？」


松田くんのことを優しいって分かってるなら
きっとエリスも彼の優しさに触れた事があるんだろう。

松田くんは昔の萩原くんみたいに
何とも思っていない女性に優しくしたりはしないはずないから
エリスのことを友達か、もしくはそれ以上に見てると思う。