第69章 異変
エ「美緒の旦那さんは元気?」
『元気だよ!
でも時々すごい怪我して帰ってくる。』
瑞「降谷は相変わらずね…。
あんまり美緒に心配かけさせないように言っておくわ。」
それは助かる。
無茶しないで、なんて私が言っても説得力ないから…
いつも「お前には言われたくない。」みたいな目で見られて終わりだもん。
瑞希が言ってくれるなら安心だ。
零くんの話をし終えると
エリスが急に真面目な顔で私たちに話があると言ってきた。
エ「あの、さ…最近2人とも松田には会った?」
『松田くん…?私は会ってないよ。』
瑞「私も。
光莉を産む前はよくうちにきて研二と飲んでたけど
最近は遠慮してんのか外に飲みに行ってるみたい。」
私達がそう答えると
エリスは「そっか…。」の一言だけ。
『松田くんがどうかしたの?』
なんとなく言いたいことは分かっているけど
エリスが話しやすいようにそう尋ねた。
エ「私ね、松田と会った時は喧嘩ばっかりなんだけどさ…
本当に自分でもおかしいと思うんだけど…
あいつのこと……好き…みたいなんだ。」
顔を真っ赤にしながらそう告げたエリス。
私と瑞希は互いに顔を見合わせた。
『「……いや、知ってたけど。」』
エ「っ、え!?なんでなんで!?
どうして知ってるの!?」
『見てれば分かるよ〜。
エリス私達と会う時、いっつも松田くんの話してるじゃん。』
瑞「いつ言ってくれるのかな〜ってずっと待ってたけど
結構時間かかったわね。」
エ「さすが現役警察官と元警察官……
恐れ入りました…。」
少し前からエリスの気持ちには気づいていたけど
ようやく彼女から話してくれて嬉しかった。