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《降谷夢》bonheur {R15}

第68章 謎解



藤「確かにわざと負けたのは本当だよ。
でも進学のためじゃない…ニッチのためだったんだ。」

西「!?はぁ!?何言ってんだお前!!」

藤「…第1試合延長14回でサヨナラ勝ち。
第二試合延長15回の試合の末引き分け、
再試合の後は延長13回で辛勝…。」

『まさか……その日原さんって人が1人で?』

藤「そう。短期間で約1000球を交代なしで1人で投げ切ったせいで日原の肩は限界だったんだ。
最初から負けようなんて思わなかったけど
点差がつき始めて和田が言ったんだ…
“日原の将来のためにコールド負けにしよう、
あいつ絶対最後まで1人で投げるから…"って…。」

「でも結果的に彼が自殺したってことは…」

藤「うん…もう手遅れで日原の肩はすでに壊れてたんだ。
信濃大学に進学できたのは本当に偶然で…
試合の後にみんなで彼に謝りに行ったけど
西野は入院中でいなかったから…」


じゃあ殺された2人と藤出さん達は
日原さんを思いやってわざと試合が早く終わるようにコールド負けにしたけど
勘違いをした西野さんは殺意が沸いてしまい
こんなことになってしまったというわけか…


ほんの些細なすれ違いで殺人が起きるなんて
ちゃんと言葉で伝えて衝突していれば
こんな悲劇は起こらなかっただろうに…



『日原さんってひどい人ですね…
こんなに大切に思ってくれる友人がたくさんいるのに
1人であの世に旅立ってしまったんですから…』

「そうですね…
彼が自殺しなければ殺人も起きなかったでしょう。」



零くんと話しながら西野さんの様子を見ると
彼は藤出さんの話を聞いて自分のした事を後悔しているようだった。

涙を流しながら両膝を床につき啜り泣きをしていて
彼がそれ以上口を開くことはなかった。


教会の外では吹雪が唸りを上げていて
まるで西野さんの後悔の哀咽が木霊しているように思えた…






そして3時間後ーー…


吹雪が止み夜が明けて
長野県警の車が大挙して到着した。










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