第68章 謎解
そしてさっき毛利さんが言っていたように
藤出さんのカバンの中に何も書かれていない予備の暗号表を忍ばせたその理由は…
『ここへ同級生を集め
自分を含めた3人の命を奪った殺人犯は
犯行現場に解けない暗号を残し、完全犯罪を成し遂げたと
悦に浸っている……それを藤出さんだと思わせたかったんですよね?』
そう言い切ったところで
西野さんは全て見破られてしまったことを認めたようで
今回の事件を起こした動機についてを語り出した。
西「昔…高校野球の試合で
9回連続エラー5回コールドパーフェクトゲームがあったのを聞いたことあるか?」
小「あぁ、あれは確か長野の川中学園っつーところと
信濃大学附属高校の試合……
ってまさか、あんたらがその試合で負けた川中学園の野球部か!?」
西「あぁ…地区予選の準々決勝でな…
俺は前の試合で怪我して出てなかったけど
入院してた病院のテレビでその試合を見てたらすぐ分かったよ…
コイツらがあの試合、わざと負けたってな!」
西野さんは藤出さんの方を睨みながら声を荒げており
その試合の時、藤出さんと和田さんと川崎さんが
頻繁にエラーを出していたそうだ。
そしてその3人は信濃大学に進学したから
きっと密約があったんだろうというのが西野さんの憶測。
西「そして俺らのチームのエースだったのが
自殺した日原 泰生。ガキの頃からすげー球が早くて
ドラフトの目玉だと言われてたのに…
あの試合で評判ガタ落ち、ドラフトにもかからず…
絶望したニッチはガキの頃よく野球してたこの教会で首を吊ったんだよ。コイツらが…八百長なんかしたせいでな!!」
西野さんの言葉をそれを聞いた藤出さんは
それは違う、と言い真実を語り出した。