第67章 教会
郁「でも最初に殺された和田くんが
ボーガンの仕掛けられたトイレに向かったのは
西野君が引いたクジで決まったし…
毒殺された川崎くんだって
様子を見に行くペアを選ぶ方法を決めたのも西野君じゃん。」
西「おいおい…俺を疑ってんのかよ!?」
郁絵さんが彼を不審に思うのも無理はない。
最初の一度だけなら偶然だと思われるかもしれないけど
2回も殺人が続くとなると疑ってしまうのが人間の性だ。
コ「ねぇ美緒さん。
ミントタブレットのケースを引いた順番って覚えてる?」
『最初が毛利さんでその次は私、
余ったケースが西野さんだったよ。やっぱり毛利さんは
引いちゃいけない外れが分かったんですね。』
小「いや…それがなぁ…引く前にケースを眺めたんだが
どれを引いても外れがなかったような気がしたんだ。」
え…
じゃあイカサマだったってこと?
でもあの時、西野さんが最後に手に取ったタブレットは
ちゃんとカラカラ音がしてたし…
西「っ、みんなしていきなりなんだよ!
俺をハメようとしてんのか!?」
西野さんは興奮しながら立ち上がり
自分の荷物を手に取っていた。
『西野さん、落ち着いて下さい。』
西「俺はもう誰も信じられねぇ!
自分の身は自分で守ってやる!!」
彼はそう言い放つと走り出し礼拝堂から出て行ってしまい、みんなで追いかけた。
しかし私達が追いつく前に2階の書斎の部屋に入り
閉じこもってしまった。
郁「西野くん、ドア開けてよ!」
藤「別に西野を疑ってる訳じゃないからさ!」
西「うるせぇ!警察が迎えに来るまで絶対開けねぇからな!
俺は生き延びてやる…!殺されてたまるか!」
連続殺人事件のドラマで時々言われるセリフを目の当たりにし、本当にこんな事を言う人がいるんだなぁ、と思っていると毛利さんがため息をついていた。
小「まぁ、書斎に籠っていれば安心だが…」
「あらかじめ犯人が
書斎に何も仕掛けてなければいいですけどね…」
『心配ならドアを蹴破りましょうか?』
「いえ……そんなことしたら
ドア付近にいる西野さんが怪我をします。」
…失礼だな!
そんな本気で蹴ったりしないよ!!