第5章 転職
「おーい若山〜。
今日ストーカー被害者の警護行くんだけど、
どっちのネクタイがいいと思う?」
『どっちも嫌い。似合ってない。』
「はあ!?
お前っ!これ俺の勝負ネクタイだぞ!?」
このちょっと口うるさい男は、
名前を葉山。1つ年下で
私より1ヶ月後に入社したから、ほぼ同期。
彼もボディーガード担当で
女の子大好き人間だけど…
その事に目を瞑れば優秀な人材だ。
『もー。ネクタイなんて何でもいいから!
ほら!早く行かないと遅れるよ!」
「うっわ!やっべ!
じゃあ、社長!行ってきまーーす!」
騒がしいけど、いつもこんな感じ。
私は今の日常が割と気に入っている。