第67章 教会
西「じゃあチャチャっと様子見てくるか。」
川「ええ、そうですね。」
2人はサッと立ち上がり
礼拝堂の扉から出て行ってしまった。
『本当に大丈夫でしょうか…』
小「何かあったら大声で助けを求めてくるんじゃないっすか?ここで彼らを待ちましょう。」
毛利さんにそう言われ不安な気持ちのままでいると
トイレを済ませた零くんとコナン君が礼拝堂に戻ってきた。
「あれ…?西野さんと川崎さんは?」
『あ…実はね…』
ガラスが割れる音は零くん達も聞こえていたようで
西野さんと川崎さんが様子を見に行くことになった経緯を話し終えると、西野さんが1人で礼拝堂に戻ってきた。
西「誰だよ!川崎にメール送った奴は!」
郁「はぁ?メール?」
藤「そんなの出してないけど…」
西「おいおい…アイツそのメールを見たら
血相変えて風呂場の方に…」
ってことは今、川崎さんは1人……
…やばい!!
瞬時にそう察した私は、スマホのライトをつけて
お風呂場に向かって走り出した。
「「っ、美緒さん!!」」
引き止められる声が聞こえたがそのまま走り続けていると
川崎さんの苦しそうな悲鳴が響き渡った。
…っ、やっぱり行かせるんじゃなかった!!
後悔しながら走っているとお風呂場の入り口に辿り着き
そこには苦しそうに喉元を押さえている川崎さんの姿があった。
『川崎さん!しっかりして下さい!!』
川「っ、ぐぁ……ぐっ…」
口元から泡を吹いている川崎さんは
少しの間、悶え苦しむとそのままガクッと体の力が抜け
息耐えてしまった…
目の前で川崎さんが亡くなってしまい
悔しい思いに駆られていると、零くん達も
川崎さんの悲鳴を聞いて駆けつけて来ていた。
「これは…毒ですね。
口臭からすると青酸系の毒物を飲んだんでしょう。」
小「だが、そばに落ちているペットボトルの水からは…
酸化還元反応は出ていない。
水の中に毒は仕込まれてなかったようだな。」
毛利さんが手にしている10円玉は錆びついてて
青酸系の毒物が水に入っていたなら
10円玉の錆が溶けて光沢が出るはずだが、その反応はなかった。