第67章 教会
郁絵さんと共にトイレを済ませ
礼拝堂まで戻る途中、向かう時と同様
郁絵さんはずっとソワソワしながら周りを気にしていた。
『…大丈夫ですよ?私達の近くには誰もいませんし
人の気配も感じませんから。』
「人の気配って…そんなの分かるの?」
『私、昔は警察でSPをやってて
今もボディーガードの仕事をしているんです。
郁絵さんのことはここにいる間、私が守るので安心してください。』
そう伝えると落ち着いてくれたようで
分かりやすくホッとため息をこぼしていた。
『あの…ちょっと聞きたいんですけど
皆さんは高校の同級生だと仰ってましたよね?
今お互いに何の仕事をしているのかって分かります?』
「うーん…今日集まったのもすごく久しぶりだから
仕事の事までは分からないかな。
私はただのOLで、藤出くんは高校の教師をしてるって事だけは知ってるわ。」
『そうですか…』
職業なら本人に聞く手もあるけど
もしあの人が犯人だとしたら、嘘をつかれる可能性もあるからなぁ…
どうやって探ろうか考えていると礼拝堂に到着し
中に入ったら、何だか異様な空気が漂っていた。
郁「ちょっとちょっと、何この雰囲気…
なんかあったの?」
西「い、いや?別に何も?」
…絶対私達がいない時に何かあったな。
何があったのか零くんに聞こうと思って顔を向けたけど
ニコッと笑顔を向けられただけだった。
「次は僕とコナン君がトイレに行ってきます。
皆さん、くれぐれも勝手な行動は控えて下さいね?」
すれ違いざまに頭をポンッと叩かれて
零くんはコナン君と共にそのまま礼拝堂から出て行き
そんな私達の様子を男性陣が見ていて、目が合うとパッと逸らされた。
…きっと零くんが何かしたんだな、絶対そうだ。