第67章 教会
『こんな時に不謹慎ですよ?安室さん?』
「…それより郁絵さんのところに行きましょう。
狙われるかもしれないと言われていましたし。」
『ふふっ、はーい。』
やっぱり零くんはすごく優しい人だな。
今日初めて会った女性のことまで心配するなんて
警察官の鑑だと思う。
ニコニコしながら零くんの顔を見ていると
照れくさいのかずっと目を逸らされ続け
郁絵さんのいる2階の書斎に辿り着いた。
3人で探すとすぐに暗号の紙が見つかったので
私達は再び礼拝堂に戻る事にした。
みんなも私達と同じようにそれぞれの部屋で暗号を見つけており、見つけた場所を報告し合う。
『うーん…やっぱり6×6の36マスで、
文字の配列は全部一緒かぁ。』
「あとまだ戻って来ていないのは…
トイレに探しに行った和田さんだけですね。」
小「ついでに用を足してるんじゃねーか?」
もし本当にそれが理由で遅れてるならいいけど…
そのまましばらく礼拝堂で和田さんが戻って来るのを待っていたが、1時間経っても戻って来なかった。
『いくらなんでも遅過ぎますよね…?』
藤「じゃあ僕、様子を見に行ってくるよ。」
「いや…ここは皆で行った方がいいです。
何だか嫌な予感がしますから。」
零くんの提案に乗り、全員でトイレに向かい
とりあえず男子トイレの方から毛利さんを先頭に中に入ったが…
小「おいアンタ!一体いつまでかかって………っ、!?」
「「!?!?」」
先に入った零くんとコナン君も驚いている様子だったので
私も中を覗いてみたが……
『っ、え!?和田さん!?』
毛利さんのスマホのライトによって照らされた和田さんは
奥の方のトイレの壁に持たれかかって座り込んでいた。
……そして彼の額には矢が突き刺さっていて
血がダラダラと流れ出ており、すでに絶命しているようだった。