第67章 教会
西「おいおい、まさか自殺したニッチの敵討ちで
誰かが狙われるとか言うんじゃねーだろうな?」
藤「もしそうなら最初に狙われるのは
たぶんニッチの女房の…」
川「ちょっと藤出くん。
部外者にあまり話さない方がいいのでは?」
藤「あ……そうだね、ごめん…」
和「とにかく早く済まそーぜ。」
5人が礼拝堂を出て行くのを見送りながら
私は彼らが話していた事を考えていた。
女房、ってことは女性である郁絵さんのことだろうけど…
それにキャプテンって何のこと…?
だめだ、分からないことが多すぎる。
「じゃあ僕達も探しに行きましょうか。」
『そうですね。じゃあコナン君、もし何かあったら大声出してね。
例え相手が幽霊でもすぐに助けに来るから!』
コ「う、うん……。ありがとう美緒さん…」
苦笑いのコナン君に手を振って
礼拝堂を出た私と零くんと毛利さん…
途中で2人と別れ、私は自分が探す場所である台所に向かい
目につくところを順番に探した。
『うーん……食器棚には何もないな。』
スマホのライトで照らしながら探していると
台所の入り口から誰かが入ってくる気配がしてパッと振り返ると…
『誰……って、零くんか!びっくりした…』
「倉庫でもうこの暗号を見つけたからな…
手伝いに来た。」
……早すぎじゃない!?さすが公安のゼロ。
そして零くんの手元には暗号の紙が握られており
やはり弔う言葉はその紙のことだったようだ。
『来てくれてありがと!でも食器棚にないとすると
探す所は限られて…あ、あった!』
暗号の紙は空の冷蔵庫の中にあってすぐに見つかり
手伝ってもらうほどの事ではなかった。
冷蔵庫の扉をパタン、と閉じるのと同時に
零くんが後ろから私の体をギュッと抱き締めてきた。
「手伝いにきたなんてただの口実。
…本当は美緒が心配だっただけだよ。」
『っ…』
心配症な零くんの言葉にきゅん、としていると
すぐに彼はスッと離れて台所を出て行こうとしていた。
たぶん……
いや、確実に照れているんだと分かった。