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《降谷夢》bonheur {R15}

第66章 長野




私達はこのままその潰れた教会に向かい
依頼人と落ち合って自殺の現場を見た後、
ホテルまで車で向かい、詳しい話を聞いてから暗号解読のシンキングタイムの予定なんだとか。



『依頼人の方は喜ぶでしょうね!
眠りの小五郎さんがわざわざ長野まで来てくれるんですから。』

小「いやぁ!そうだといいんですけどねー!
ナハハハハ!!」


毛利さんだけじゃなくて零くんとコナン君も一緒だし
きっと謎があってもすぐに解けるだろう。

私達はあまり深く考えずにそのまま電車に揺られ
駅に着いてからはタクシーに乗り、廃教会のある場所へと向かった。


しかしその廃教会は森の中にあるらしく
タクシーの運転手さんに「森の入り口までしか送れない」と言われ、私達は教会までの道のりを聞いた後、タクシーを降り歩いて教会まで向かうことになった。



『…くしゅんっ』


流石に冬の長野県は寒い…
タクシーを降りると外は雪が吹雪いていて、コートを着ていても肌寒かった。


寒さに凍えながら歩き出そうとすると
首元が急に暖かくなり、零くんの手によって私の首にはマフラーが巻かれていた。


「風邪を引くといけないので使って下さい。」

『っ、いやいや!安室さんが寒くなっちゃいますよ!』

「僕は平気ですから、遠慮せずにどうぞ。」


そのマフラーは私がクリスマスに零くんにあげたもの。

マフラーからほんのり零くんの香りがして落ち着くし
何より優しい零くんの気持ちが嬉しくて、体も心も暖かくなった。


『ありがとう…。すごく…あったかいです…』

マフラーに顔を埋めながらそう伝えると
零くんは優しい眼差しで私を見つめていた。



コ「…だからそういうのは2人の時にやってってば。」

「美緒さんが寒そうだったから
マフラーを巻いてあげただけですよ?」

小「甘々な雰囲気がダダ漏れてるってんだよ!!
羨ましいぞこの野郎!!」


零くんは2人に怒られて困った顔をしていて
誰かに怒られている時の彼はあまり見たことがなかったから、私はそれをこっそり笑いながら教会までの道を歩いた。








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