第64章 幸福
諸「みんな幸せそうだね。
俺も彼女に会いたくなってきたよ。」
……。
『え!?諸伏くん彼女いたの!?』
そういえば諸伏くんのそういう話、一度も聞いた事なかった…。
諸「美緒ちゃんも知ってる人だよ。」
私の知ってる人…?
そんなに女友達がいない私が知ってる人って言ったら
かなり限られてくるんだけど…。
『零くんも知ってる人?』
「ああ、お前の恋敵だった奴だよ。」
…恋、敵…?
『え…それってまさか…
零くんの部下の立花さん!?』
いや、嘘でしょ……
あの人のことあまり知らないけど
諸伏くんは一体彼女のどこを好きになったの…?
諸「美緒ちゃん、なんかすごく失礼なこと考えてない?」
『!?か、考えてないっ!』
さすが公安の人間なだけあって、
諸伏くんも零くん並みに表情を読み取るのが上手いな…。
諸「彼女には良いところたくさんあるんだよ。
ちょっと捻くれてるんだけどね?」
『そ、そうなんだ…。』
立花さんの事を話す諸伏くんは
今まで見たことがないような穏やかな顔になっていて
本当に立花さんが大事なんだなっていうのが伝わってきた。
諸「美緒ちゃん…
この前の事件の時、君が俺を助けに来てくれたおかげで
死なずに生きる延びる事ができたって思ってる。
命の恩人の君に改めてお礼を言わせて欲しい。
…本当にありがとう。」
『そんな…お礼なんていらないよ!
零くんから少し聞いたけど
諸伏くん、零くんが結婚式の準備に時間とれるように
代わりにたくさん仕事してくれてたんでしょ?』
諸「…ゼロ、それは言わなくても良かったのに。」
「ふっ、悪い。」
『ありがとね、諸伏くん。立花さんと幸せにね!』
諸「うん。
美緒ちゃんもゼロとお幸せに。」
私が諸伏くんと零くんと3人で話していると
松田くんとエリスの喧嘩はヒートアップしていて
他のみんなはその様子を呆れながら見ていた。