第64章 幸福
『あ、ねぇ瑞希。今日光莉ちゃんは?』
瑞「研二の両親に家で見てもらってるよ。
この後迎えに行く。」
んーちょっと残念。
久しぶりに光莉ちゃんに会いたかったなぁ。
萩「美緒ちゃんとゼロも早く作ったら?
子供ってすげー可愛くてマジ天使だよー?」
『!?な、何言ってんの!?』
エ「あははっ、美緒顔真っ赤ー。」
だって萩原くんが変な事言うんだもん!
そういうのは思ってても言って欲しくないやつだから!
「萩原、あまり美緒を揶揄うなよ。」
萩「あははっ、ごめんごめん。
美緒ちゃんの反応面白いからつい、ね。」
…なにがつい、だ!後で瑞希に叱ってもらうからね!
萩原くんを睨んでいると、
誰かが鼻をすすっている音が聞こえてきた。
伊「本当に良かったなー美緒!!
お前、昔からずっとゼロのこと思ってたし
2人が結ばれて俺はすごく嬉しいぞ!」
…伊達くんだった。
涙をポロポロ流して
男泣きをする彼を見るのは初めてでかなり驚いた。
松「そんな泣くなよ班長。
今日はめでたい日なんだからよ。」
松田くんはそう言いながら伊達くんの肩を叩いていて
それを見たエリスがニヤッと笑っていた。
エ「そういう貴方だって式の最中
ずっと目がウルウルしていたみたいだけど?」
松「なっ!?んなことねぇよ!見間違えだろ!」
エ「私、視力2.0だけど。」
松「そういう意味じゃねぇよ!」
エ「んー、日本語って難しいっ。」
松「てめぇ…!分かってて言ってるな!?」
松田くんとエリスはしばらく言い合いをしていて
私達は2人の様子を見ていたんだけど、
なんだかすごく……
「『お似合い…。』」
隣にいた零くんと私は同じことを呟いていた。
『ふふっ、やっぱり零くんもそう思った?』
「ああ。あの2人、案外上手くいくかもしれないな。」
もし本当にそうなったら嬉しい。
私の大事な友達が2人一緒に幸せになるんだもん。
今後どうなっていくのか楽しみだ。