第64章 幸福
瑞「よし!ネイル完成!」
エ「メイクも髪型もOKよ!」
いつもより煌びやかな化粧に、髪は編み込まれ
綺麗に纏め上げられているシニヨンスタイルの髪型になった私が鏡に写っていた。
……さすがプロの美容師。
短時間でこんなに素敵な髪型をつくるなんて…
瑞希はホワイトカラーにパールやゴールドのストーンがついている
とても優美なデザインのネイルチップをつけてくれた。
「ではドレスに着替えましょうか。こちらへどうぞ。」
従業員の人に促され部屋の角の方へ行き
カーテンを閉めてから服を脱いで
ドレスインナーを身につけウェディングドレスを着た。
マーメイドラインのウェディングドレス…
そのドレスは零くんが選んでくれたらしく
体のシルエットが強調されるものだった。
裾がふわりと広がっており、
私の肩や腕には少し傷跡が残ってるから
それらを隠すようにレースの袖がついている。
「奥様はスタイルがいいので
マーメイドラインはすごく似合いますね!」
『…うわぁ……。』
本当に自分なのか疑いたくなるくらいに変身した私が大きな鏡に写っていた。
私…本当に零くんと式を挙げるんだ…。
ドレスを着ると急に実感みたいなものが湧いてきて
なんだか少し緊張してきた。
ドレスに着替え終えてからカーテンを開け
瑞希とエリスがいる場所に戻ると、2人はパーティードレスに着替え終えていた。
エ「美緒…すっごく綺麗…!素敵!」
瑞「綺麗だよ、美緒。
あーどうしよう…なんか泣けてきた…。」
瑞希は私を見て瞼を押さえていて
私は彼女のそんな姿を見たらもらい泣きしそうになった。
『瑞希、泣かないで?私も泣けてきちゃう。』
瑞「あんたはだめよ。メイク落ちるんだから。」
エ「瑞希だって落ちちゃうじゃない。
せっかく私が綺麗にメイクしたのに!」
3人で笑い合っていると、
従業員の人がドレスに合ったピアスとティアラを持ってきてくれたので
それも身に付けてから靴を履いてブーケを手渡された。