第64章 幸福
『は……い?なんで…』
零くんそんなこと一言も言ってなかったじゃん…。
今日は2人が再会した日だから江ノ島でデートする予定じゃなかったの?
瑞「降谷がね、美緒を驚かせたいから
当日まで内緒にしてろって言ってきたの。
私達は美緒の支度の手伝いに来た!」
エ「私も美緒の旦那さんに頼まれたの〜。
メイクと髪型のセットは得意だからね!」
2人は零くんに頼まれて
このホテルに私が来るのを待っていたと教えてくれた。
零くんのサプライズにずっと驚いていた私は徐々に落ち着き始めてきたんだけど……
瑞「あー、やっぱり泣いた。」
『だって……すごく嬉しくて…』
まさか零くんと結婚式を挙げることができるなんて思わなかった。
零くんは人目についたらいけない立場だから
式を挙げるつもりなんて全然なかったのに…。
いつか彼の仕事が落ち着いた時に
写真だけ撮れればいいかな、ぐらいに考えていただけだった。
どうして零くんはいつも……
こんなにもたくさんの幸せを私にくれるんだろう…。
エ「ほら、美緒。
いつまでも泣いてたらメイク出来ないよー?」
『うぅ……ごめ、ん…。』
ティッシュで涙を拭き取ってから
エリスは私にとびっきりのメイクをしてくれた。
『あれ…?そういえば瑞希とエリスって
顔合わせたことあるの?』
瑞「美緒が雑誌に載った時あったでしょ?
あれ見てエリスの美容院に行ったんだけど
すごく話しやすくて仲良くなった。」
エ「美緒の友人なら仲良くなりたいと思うじゃない!
分かってはいたけど、瑞希もすごくいい人よね〜。」
私の知らないところで仲良くなっていた2人に驚いたが
私の大事な友達同士が仲良くなってるのは
なかなか嬉しいものだ。