第64章 幸福
『さすが零くんだね!覚えててくれて嬉しい。』
「忘れるわけないだろ?
僕にとっても特別な日なんだから。」
…本当にこの人は私をいつも喜ばせて幸せな気持ちにしてくれる。
私と再会できてよかったと言われているみたいだから…
『じゃあこの2日間で休み取るね!
明日からの仕事、すっごく頑張れそう!』
「美緒はいつも頑張ってるだろ。
あまり無理すると体壊して行けなくなるぞ。」
それは嫌だ。ほどほどに頑張ろう。
…でもやっぱり楽しみ過ぎる!!
早く来月にならないかなぁ…
わくわくした気持ちのまま食事を終えて
お風呂を済ませ2人でベットに横になった。
…そのまま寝るのかと思ったけど、横になった瞬間
いつも通り野獣化した零くんに襲われた。
さすがに毎日ってことは無かったけど
零くんの帰りが早い日や次の日が休みの時はいつも身体を重ねていた。
零くんは結婚前と同じで
いつも長い時間かけて私の体を堪能しているから
次の日は大体寝不足になる。
それでもすごく幸せだから、そんなの全然気にならない。
…もうちょっと手加減して欲しいなって
思う時もあるけどね…?
そして、お互い忙しく仕事をしていると
あっという間に1ヶ月が経ち、江ノ島に行く日がやってきた。
零くんはデートの当日までなんだかすごく忙しそうで
疲れていないか心配だったけど…
今の彼の顔を見たらすごく明るい表情で楽しそうだったから
私の心配は無用だったみたいだ。
2人の一泊分の荷物を零くんの愛車に乗せて
私たちは江ノ島に向けて出発した。
車に乗っている間にどこから回るか決めようと思っていたけど
零くんがすでに考えてくれていたみたいでお任せすることにした。
『零くんなんだかすごく楽しそうだね?』
「美緒と久しぶりのデートだからな。」
そう話す零くんは安室さんの時みたいなキラキラした笑顔で
楽しみにしている場所でもあるのかな?って少し不思議に思ったけど、零くんがウキウキしているなんてすごく貴重だから
私はそんな彼を目に焼き付けることに夢中だった。
この時の私は
零くんが笑顔だった理由に全く気が付かなくて…
今日がまた新たな特別な日になるなんて思わなかった。