• テキストサイズ

《降谷夢》bonheur {R15}

第63章 復帰




2つあるうちの1つのベンチに座っている零くん。


私は零くんの隣ではなく、空いている方のベンチに
彼に背を向けて座った。

側から見れば知り合い同士には見えないはずだ。


「誰にも見られていないから隣に座ってもよかったのに。」

『うん…まぁ、でも念の為にね。』

「仕事はどうしたんだ?」

『午後からの仕事がキャンセルになって暇だったから
社長に墓参り行ってこいって言われたの。』

「そうか…」


お互い顔や視線を合わさずにする会話。
少し寂しいけど、零くんの声を聞けるだけで幸せだ。



『前田さんのお墓にも行ってくれたんだよね?』

「…ああ。」

『理由…聞いてもいい?』

「お前の両親の墓に来てた時点で分かってるだろ。」


…確かに何となくは分かってる。
きっと私と同じだから。


意地悪な質問したと思うけど、零くんの口から聞きたかった。


『教えてくれないの?』

「…。前田さんには…
美緒を命懸けで守ってくれた感謝を伝えに行った。」

『うん…』

「お前の両親には……





















娘さんを下さいって……言いに来た。」

















/ 1020ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp