第63章 復帰
浴室内にはパシャッとお風呂の水音がするだけでなく
零くんが私の体にキスをする音が響いていて
さらに恥ずかしい気分になる……。
『れ、れいくん……逆上せそう…。』
「…じゃあそろそろ出るか。」
零くんはふらふらの状態の私を支えながらお風呂を出て
湿った体をタオルで拭いてくれた。
ポーッとしたままの私はなんとか自分で服を着て
髪は零くんがドライヤーで乾かしてくれて…
2人で水分を取りソファーで寛いでいると
零くんがテーブルの上に封筒を置いた。
『?零くん、これは?』
「一緒に住む家の候補。いくつか探しておいた。」
『え!?』
封筒の中を見ると
何枚かの物件情報が書かれた紙が入っていて
どの物件もなかなかの広さでセキュリティがしっかりしてるものだった。
『いつの間にこんなの調べてたの…?』
「仕事の合間にな。
気に入ったところがあれば教えてくれ。
場所もここからそんなに離れてないところばかりだから。」
きっと零くんは私が徒歩で通勤してるから
その辺りも考慮して探してくれたんだろう。
『零くん…ありがとう。』
「僕が早く美緒と一緒に暮らしたいだけだから
礼なんていらない。」
2人でくっつきながら物件情報を見て
互いの意見を言い合い、一つの物件に絞る事ができた。
「今度見に行ってくるよ。」
『時間が合えば私も行くからね。』
零くんと一緒に暮らす日が近づいていると思うと
私はワクワクした気持ちを抑えれなかった。
楽しみだなーと考えていると
私が手に持っていた用紙を零くんはスッと取り上げて机に置き
驚いている間に私の体は抱き上げられていた。
『えっ………え!?』
「寝室行くぞ。そろそろ美緒を抱く時間だ。」
『!?』
抱かれたままパニクっていると
いつの間にか寝室に着いていて私はベットの上に横たわっていた。