第63章 復帰
「指輪…してくれてるんだな。」
『仕事中は外してるけどね。』
「嬉しいよ。美緒は僕のだって実感できる。」
『零くんも…私だけのものだよね?』
私がそう尋ねると、零くんは私から身を離して
そっとキスをしてくれた。
「これから先もずっと僕は美緒だけのものだよ。」
『ふふっ、嬉しい!』
「……ご飯の前に美緒を食べたくなってきたな。」
『っ、それはだめ!お腹空いたもん!』
「美緒から誘ってきたくせに。」
……いや、誘ってないけど。
『私も手伝うからさ…
いちゃいちゃするのはご飯の後にしよ?』
最中にお腹の音なったら恥ずかしいし…
「仕方ない…じゃあお風呂も一緒だからな。」
『え…いや、それは…』
一緒にお風呂はまだ慣れなくて…
できれば断りたいんだけど、結局零くんにはいつも逆らえない。
「一緒じゃないと今すぐここで美緒のこと襲う。」
『……入浴剤…色濃いやつ入れるからね。』
「ん、いいよ。」
やっぱり今日も断れなかった…
その後、私たちは一緒にご飯を作って
食べ終えてからお風呂に入った。
自分で洗うって言ったのに
零くんは私の髪と体を楽しそうに洗ってくれて
今は2人で浴槽に浸かってる。
いつも通り後ろからギュッてされてるから
恥ずかしくてたまらない。
「せっかく風呂に入ってるんだから
もう少しリラックスしろよ。」
『う、ん……
頭では分かってるんだけど…。』
私の背中には零くんの胸板が直接当たってるし
胸のすぐ下のお腹辺りに腕が回っているから
零くんが腕を動かすと触られるんじゃないかってビクっと反応してしまう。
零くんはそんな私の反応を見てクスクスと笑っていた。
「可愛い…美緒。」
『…きゃっ…』
零くんは私の背中にチュッと音を立てて唇を当て
そのまま舌を這わせている。
「美緒の背中…いつ見ても綺麗だな。」
『…やっ、…くすぐったいよ…。』
「この肩も首も綺麗で……僕はいつも魅了される。」
零くんは背中だけでなく首や肩にもキスを落として
私の反応を楽しんでいるようだ。