第4章 卒業
私の言葉を聞き
降谷くんは私の肩を掴んで身を離した。
やっぱり…困らせちゃったよね…?
申し訳なさで降谷くんの顔を見れなくて俯いた。
「こっち向いて、美緒…」
『無理っ……!』
「即答するなよ。
お願いだから…顔をあげてくれ。」
私は恐る恐る降谷くんと視線を合わせた。
思ったより顔が近いことにびっくりしたが…
降谷くんはいつもみたいな優しい顔で笑っていた。
「ありがとう…
美緒の気持ちを聞けて嬉しかった。」
私の告白に返事をするわけでもなく、
ただいつもと同じ…優しい顔で笑ってくれている。
返事なんかいらない。
彼が笑ってくれているだけで、私の心は満たされていた。
「ふっ、涙の痕ついてるぞ。」
降谷くんは私の頬を指で拭い、
そのままゆっくりと顔を近づけて来て…
私の唇にキスをした。
いきなりキスをされ
目を閉じるのを忘れるくらい驚いたけど…
とても優しいキスだった。