第62章 約束
零くんは私の左手を取って薬指にそっとはめてくれた。
『…綺麗すぎるよこの指輪。』
「一生に一度のものだからいいだろ?」
『まぁそうなんだけど…
っていうかなんでサイズぴったり?』
「お前が寝てる時にこっそり測った。」
零くんが…こっそり……?
『…ふふっ。』
「何がおかしいんだ。」
『いや…なんか……
サイズ測ってる時の零くんの姿想像したら面白くて。
あははっ!』
「……指輪のサイズが合わなかったら格好つかないだろ。」
そう言うの気にするんだ…
相変わらず完璧主義なんだね。
『ありがとう、零くん。私…すごく幸せ!』
満面の笑みでそう伝えると零くんは私との距離をグッと詰めてきて、後頭部には彼の手が回っている。
「美緒……僕もすごく幸せだ。…愛してる。」
零くんの顔が徐々に近づいてきたのでキスされると思い目を瞑ると、病室の扉がガラッと開く音がした。
松「美緒!!起きたって本当か……って……
………悪い、邪魔したな。」
伊「おい松田!せめてノックしろよ!」
萩「いいところ邪魔しちゃったねー。」
諸「俺達のことは気にしなくていいから
続けてくれてもいいんだよ?」
『もう!続きなんてしないから!!』
っていうかさ
いつものことだけど騒がしすぎるよみんな…
ここ病院だよ?
「はぁ…またお預けか。
美緒、続きは退院してからな?」
『……うん。』
零くんに頭をポンポン叩かれていると
みんなは少し呆れた目で私たちを見ていた。
松「よし、じゃあ美緒も元気そうだし
そろそろ始めるか。」
『…?始めるって…何を?』
「決まってるだろ?美緒への説教だ。」
……
はい!?