第62章 約束
3ヶ月間も眠ったままだっだから
食事もまずは胃に負担をかけないお粥からスタート。
『…食べた気がしない……。』
「仕方ないだろ。
いきなりがっついて食べると吐くぞ。」
電話を終えて病室に戻ってきた零くんは
私がお粥を食べている様子をベットのそばの椅子に座って見つめている。
『あのさ、
あっちの方に置いてあるものってもしかして…』
「ああ、美緒への見舞い品だ。」
『……やっぱり…?』
病室の隅の方には綺麗に整頓されたダンボールがいくつか並んでいて
それはこの前私が入院した時とは比じゃないくらいの量だった。
「今回はちゃんと全部家に持って帰れよ?」
『私のアパートに入るかな…。』
「置けない分は僕のアパートに置けばいい。」
『……あ、病室がこんなに広いのはあれのせい?』
「きっとこうなるだろうと思ったからな。」
さすがです。
零くんの頭の良さに感心しながらお粥を食べ終え、
どうやってあの見舞い品達を消化しようか考えていると
零くんは急に私の手をギュッと握ってきた。
『…?零くん?どうしたの?』
「美緒……
結婚してくれ。」