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《降谷夢》bonheur {R15}

第62章 約束




「美緒…っ…良かった…。
本当によかった…っ……。」

『ん…零くん…。
心配かけて…ごめん……泣かないで…?』

「ばか…僕が泣くわけないだろ。」

『ふふっ、そうだね。じゃあ私の気のせいだ。』

私の頬は濡れてるし彼の目が少し赤くなってるから
本当は気のせいじゃないけどね。

明らかに嘘をついている零くんを見てクスクス笑っていると
零くんは何も言わずに私の顔をじっと見つめていた。


『え…なに……?
あ…笑いすぎて怒っちゃったの?』


「美緒の笑った顔…ずっと見たかったんだ。
今までずっと寝顔だけだったから…
やっぱりすごく可愛いな。」

『!?』


零くんは私の頬に手を添えて微笑んでいて…

私からすると
そんな風に無邪気に笑っている零くんの方が可愛いとしか思えなかった。




その後、
私の目が覚めた事を医師に報告してくれた零くんは
私が診察している間に他の人にも知らせてくると言って
スマホを片手に病室を出て行った。



私が自分で刺した傷はもう殆ど治っていて
治るの早くないですか?って医者の人に聞いたら、

「あなた、3ヶ月も眠ったままで
一生目を覚まさない可能性もあったんですよ?」

…と言われ、衝撃を受けた。




3ヶ月って……





いや、仕事ーーー!!
絶対身体鈍ってる!!!!





『あの先生、今日退院してもいいですか?』

「何馬鹿なこと言ってるんですか。
せめて3日は入院してもらいます。」


3日も!?
そんなの無理!!退屈すぎて死んじゃうよ!!



『じゃあ、あの…
トレーニングとかしても大丈夫ですか?」

「はぁ…退院するまで絶・対・安・静です!!」

……そんなぁ…。

ガクッと項垂れていると、
とても生死を彷徨っていた人の言葉とは思えないと呆れられてしまった。


いや、だってさ…
私的にはただ寝てただけだから体はすごく元気なんだよ…?

 
でも医者の言うことに逆らう訳にもいかないので
私は言われた通り大人しく入院生活を送ることにした。







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