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《降谷夢》bonheur {R15}

第4章 卒業




私たちは別の場所に向かって歩き出した。



それは私とみんなが初めて話した場所…
食堂の入り口だった。


「懐かしいな、この場所。」
『初めてみんなと話した所だよね。』


出会った頃は、もう関わりたくないなーって思ってたのに
気づいたらかけがえのない存在になっていた。


私たちは入り口にある自販機で飲み物を買い、
誰もいない食堂のテーブルに腰掛けた。


『初対面なのにバカか?って言われたのは一生忘れないよ。』
「悪かったよ…あの時は言い過ぎたって今でも反省してる。」
『あはは。でもいい思い出になったよ!
思い出すとちょっとムカつくけどね。』
「おい…。」
『冗談だよ。』


警察学校での思い出を話しながら笑い合って
ひとしきり笑い終えると2人の間に少しの沈黙が訪れた。


そして降谷くんは
私の顔を真剣な顔でじっと見つめ話し出した。


「この学校で…美緒と出会えて本当によかった。
…ありがとう。」

『…私こそありがとう。降谷くんと仲良くなれて
この学校に来て本当によかったって思ってる。』

「美緒…僕は君のことを決して忘れたりしない。
ずっと………大切に思っているからな。」

『そんなの…私だって…
これから先も…ずっと、ずっとそう思ってるよ…っ…』



降谷くんの言葉が嬉しくて…



絶対…
泣きたくなんてなかったのに…





私の目からは涙がとめどなく溢れてきてしまった。








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