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《降谷夢》bonheur {R15}

第61章 擁護




私は富士崎からナイフを受け取り
諸伏くんの元にゆっくりと近づいた。



『諸伏くん…ごめんね。』

「何言ってんの…美緒ちゃんは何も悪くないでしょ?」


諸伏くんは最後まで私に優しくて
私の目からは再び涙がポロポロと流れ落ちた。


「さぁ、早くこの男を殺せ!!」
「ははっ!ゾクゾクしてきたよ!!」



私は両手でナイフを振り上げて
諸伏くんの方を見て微笑んだ。


「え……美緒ちゃん…?」

『諸伏くん…………

















ばいばい………』




「っ、美緒ちゃん!やめろ!!」


「「っ…!!!!」」










私は振り上げていたナイフを
自分のお腹に躊躇わず突き刺した。








「美緒!!!」









ああ……零くん、やっと来たんだ…



遅いよばか…




でも……来てくれてありがとう…




お腹を刺してからすぐに扉が開く音がし、零くんの声が聞こえた。



私は激しい痛みに耐えきれなくて足元からゆっくり崩れ落ち
地面に倒れそうになったところで零くんに抱き止められた。






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