第59章 狙撃
美和子ちゃんから聞いていた病室に駆け込むと
松田くんはベットで眠っていた。
病室には萩原くんと伊達くんもいて
私の顔を見るなり凄い勢いで歩み寄ってきて
伊達くんに手首を掴まれた。
伊「美緒お前…何だよこの手の怪我は!!」
萩「やっぱり行かせるんじゃなかったよ…。
美緒ちゃんまた無茶したんだね?」
…2人とも、顔が怖いよ。
コナン君がビビっちゃうじゃないか。
でも無茶したのは否定できないな…。
『……ごめんなさい。
目の前で松田くんが撃たれてじっとしてられなかったの。』
萩「その気持ちは分かるけどさ…
美緒ちゃんの様子なんか変だったし…心配したよ。」
『ごめん…
それで、松田くんの怪我の具合は?』
伊「出血は多かったけど大丈夫だ。
傷口が塞がれば退院できるってよ。」
『そっか……。』
松田くんが眠っているベットに近づき顔を見ると
先程よりも顔色が良くなっていてホッとした。
コ「ねぇ美緒さん…
今回の事件って伊達刑事の交通事故と
公安の風見刑事が撃たれた事件と何か関係してるんだよね?」
『!!それは…』
…言えない……。
犯人の狙いが私で
私の周りの人達を傷付けようとしているだなんて…
そんなこと言ったら、ますますみんなを危険な目に遭わせちゃう…
絶対言えない…。
私が口を閉ざしていると病室の扉がノックされる音が聞こえたが
私は松田くんの寝顔を見つめていたので、誰が入って来たのかなんて気に留めなかった。
「……美緒。」
聞き覚えのある声にパッと振り向くと
そこには綺麗なブルーの瞳で私を真っ直ぐに見つめる零くんが立っていた。