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《降谷夢》bonheur {R15}

第59章 狙撃




『…っ、どうして…』


コ「僕が呼んだんだ。
ごめんね…勝手なことして…。」


零くんと会うのは久しぶりで
言い合いをして和解していないままだったから、どんな顔をして会えばいいのか分からなかった。


どうしようと困っていたところ
零くんは私の元に歩み寄ってきて、怪我をしていない方の腕を掴んだ。


「美緒と2人で話してくる。みんなはここにいてくれ。」

『え…』

零くんは私の腕を引っ張り、病室を後にした。


引っ張られながら零くんの方を見てみたが
顔が見えないからどんな表情をしてるのか分からない…。


零くん…やっぱり怒ってるよね?
この前思い切り叩いちゃったし
今日だって無茶をして怪我したこともきっと分かってるんだろう。


ちゃんと謝らなきゃ…と思っていると零くんは立ち止まり
いつの間にか外にある非常階段の踊り場まで移動していた。


私の腕をスッと離してこちらに身体を向けた零くん。

彼と目を合わせるのがまだ少し怖くて俯いていると
零くんは私を腕の中にギュッと閉じ込めた。


「美緒……ごめん…」
『零くん…』
「ひどい事を言ってお前を傷つけた。
本当に…悪かった。」
『私の方こそ叩いてごめん…。痛かったよね?』
「ああ。すごく痛かった。」
『うっ、ごめんなさい…。』


素直に謝ると零くんは私の顔を覗き込んで来た。

「やっとこっちを見てくれたな。」

至近距離で私を見つめる零くんは
相変わらず顔が整い過ぎててカッコよくて…
私はすぐ目線を逸らしてしまった。


「こら、なんで逸らすんだ。」
『いや、だって……近い。』
「今更そんな事で照れるなよ。」
『零くんがカッコ良過ぎるのが悪い。』
「…美緒だって…いつも綺麗だ。」

額同士をコツンとくっつけて私達は微笑み合った。


こうしていると、嫌な事を全て忘れられるから不思議。
零くんと一緒にいるだけですごく癒される。


やはり零くんはこの前見た辛そうな顔よりも
今みたいに笑ったり、一生懸命仕事をしている時の真剣な顔の方が似合うね。







少しの間、額をくっつけたままでいると
零くんは私から離れ、両肩に手を置き口を開いた。




「美緒……





お前には全部話すよ。」








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