第59章 狙撃
『…分かった。やってみるね。』
「お前なら余裕だろ。
ボウヤ、美緒のことをよろしくな。」
通話はそこで終了し、
私たちは再び前を走っている車に目を向けた。
秀一くんは少し先にいるって言っていたから…
この道路はもう少し走ると橋の下をくぐる場所があったはず…
きっと秀一くんはその橋の上で待機してるんだ。
…先回りしてるなんてさすがFBIなだけあるな。
秀一くんに感心していると橋が見えてきたので
私は犯人の車の後ろから横に車線変更をし、
コナン君は車の中を覗いていた。
「やっぱりこの人だよ!
後部座席にライフルバック置いてあるのがチラッと見えた!」
よく見えたね…!?
本当にこの子には驚かされてばかりだ…
そして徐々に橋に近づいていくとライフルの発砲音が聞こえて
犯人の車はタイヤを撃ち抜かれ
車体は不安定にゆらゆらと揺れていた。
「美緒さん!今だ!」
コナン君の合図でハンドルを切り
犯人の車にぶつけてそのまま側道まで押しやった。
ごめんね、アウディちゃん…。
今度ちゃんと修理してあげるからね。
犯人の車が側道に入りスピードが落ちてきたところで、
私は自分の車を犯人の車の前に横付けし、2台の車は停車した。
『コナン君はここで待ってて!』
シートベルトを外し車を降りると
犯人の男も運転席からふらふらと降りてきた。