第59章 狙撃
「さっき赤井さんにも連絡しておいたよ。」
…なんだ、コナン君も狙撃地点分かってたんじゃん。
流石だね。
『ありがと、コナン君。』
彼にお礼を言いながら車を走らせていると
例のビルのすぐそばまで来た。
「犯人の特徴って…確か赤い髪だったよね?」
『うん。さっきからずっとすれ違う車の運転者みてるけど
今のところまだ該当者なし。』
コナン君も私と同じように探してくれているけど
見つからないままビルに到着した。
遅かったかな…と諦めかけた時
ビルの駐車場の出口から勢いよく車が飛び出してきて
一瞬だが運転席には赤い髪をした男が乗っていた。
「美緒さん、いたよ!」
『私も見えた!…絶対逃さないから!!』
ハンドルをギュッと強く握り締め、他の車を追い抜きながら犯人の車を追った。
『もうすぐ追いつく。』
「相変わらず、すごいドライブテクニックだね。」
何言ってんの。上には上がいるよ?
私なんて大した事ないんだから…
何台かの車を追い抜いていると
ようやく犯人の車の後ろまで来ることができた。
「どうやって止める?」
『ぶつけて止める…って言いたいところだけど
こんなたくさん車が走ってる所でぶつけたら
他の車も巻き込んじゃうね。』
それにコナン君も乗っているし
ぶつけるのは得策じゃないな…と考えていると
コナン君のスマホが鳴り、通話をスピーカー状態にしてくれた。
「赤井さんからだよ。もしもし?」
「ボウヤ、隣に美緒はいるか?」
『いるよ。』
「怪我は?」
『してない。』
「そうか…今どの辺を走ってる?」
私の代わりにコナン君が今いる場所や
犯人の乗った車の車種を秀一くんに伝えると
電話の向こうでカチャカチャと音が聞こえた。
「俺は今、お前達が走っている道路の少し先にいる。」
「赤井さん、何とかなりそう?」
「ああ。犯人の車を狙う。…後は美緒に任せるからな?」
さっきのカチャカチャした音は
ライフルを組み立てる音だったんだ。
…それで車のタイヤを撃ち抜くつもりだな。