第59章 狙撃
『っ、松田くん……ごめんね…』
「…なん、で………美緒が謝んだよ…
お前は何も…悪くねぇだろ…」
松田くんは撃たれた痛みに耐え顔を歪めながらも
私に力ない笑顔を向けた。
……違うよ…
本当に私のせいなんだよ……。
肩を掠めた割には出血量が多くて
どんどん顔色が悪くなっていく松田くん。
……許さない…。
私は松田くんの肩に置いていた手を離し立ち上がった。
『萩原くん…松田くんのことお願いね。』
「!!待ちなよ美緒ちゃん!
まさか犯人を追うつもりか!?」
『…大丈夫。絶対捕まえてやるから。』
私は萩原くんの制止を振り切って
近くに止めていた自分の車に乗り込むとすぐに助手席の扉が開き、コナンくんが乗り込んできた。
『えぇ!?コナン君何してんの!?』
コ「赤井さんから美緒さんと一緒に事件のこと調べてるって聞いてたからね。きっと美緒さんならここに調べに来ると思ったんだ。
ちょっと来るのが遅くなって
松田刑事が撃たれたのは阻止できなかったけど…」
『それはコナンくんのせいじゃないよ!
…私、今から犯人追うけど…一緒に来る?』
「もちろん。久しぶりに美緒さんとドライブできるね。」
…本当にこの子は何者なんだろう。
ただの小学生とは思えないほど度胸が座っている。
『…しっかり捕まっててね。』
コナンくんに声をかけてから
車のエンジンをかけアクセルを踏み車を発進させた。
「スナイパーがいた場所分かってるの?」
『ここから1キロくらい離れたビルの屋上。
松田くんが撃たれた時、
そのビルからキラッとした光を見たの。
あれはおそらく…』
「スナイパーのスコープが太陽に反射して光ったんだね。」
本来なら太陽を背にして反射しないようにしたり
サンシェードを使用したりするが…
こんな街中で見つかるわけないと高を括っていたのかもしれない。