第58章 公安
風「どうなさるおつもりですか?」
「ヒロは……犯人に捕まったかもしれない。
大勢の捜査員を引き連れて行ったらあいつが殺される可能性もある。」
風「!!まさか……」
「ああ、僕1人で行く。」
風「…っ、それはダメです!
降谷さんが行くなら私も一緒に行きます。」
「…いいのか?殺されるかもしれないぞ。」
風「若山さんと約束してるんです。
降谷さんはいつも無茶ばかりするから、
何かあった時は助けてあげて欲しいって。」
……いつの間にそんな約束したんだよ。
でも…
美緒が僕の右腕である風見とそんな約束をしていたのは
素直に嬉しかった。
「…お前のせいで
早く美緒に会いたい気持ちが強くなった。」
風「この事件が解決したら何日間か有給取れるように調整しますよ。」
「ああ、頼む。」
風見と2人で警視庁を出て、
恐らく犯人だと思われる人物から送られて来たメールに書いてあった場所に向かった。
車道に車を停めて路地の中を進み、
僕達は待ち合わせの場所に到着した。
2人で周囲を警戒していると足音が聞こえて来て
そちらに目を向けると、深くフードを被り
マスクをした人物がポケットに両手を突っ込んだまま
僕達の元に向かって歩いて来た。
「お前が公安の刑事達を襲わせた犯人か。」
風「我々の仲間はどこにいる。答えろ。」
「くくくっ…さぁな。まだ遊んでる途中なんだよ。」
不気味な笑い声で遊んでる、と話す男…。
やはり…こいつの正体は…