第58章 公安
side 降谷
「はぁ……ヒロのやつ…一体どこで何してるんだ。」
風「相変わらず何の連絡もありませんね。」
捜査の進展も特にないまま、ただ時間だけが過ぎていく。
こうしてる間にもまた別の誰かが狙われるかもしれない…。
美緒の会社の東社長が襲われ、
昨日は伊達班長が車で轢き殺されそうになったと聞いた時
美緒にすべてを話そうか迷った……。
だが話したところであいつが傷つく事は目に見えている。
普段の僕ならこんなに迷ったりしないのに…
美緒のこととなるとどうしても判断力が鈍る。
頭を抱えてどうするべきか考えているところに
部下の1人が僕と風見の元に慌てた様子で報告をしに来た。
「諸伏さんからメールが来ました!
こちらです!」
ノートパソコンの画面を見ると、
確かにヒロのアドレスから送られて来たものだったが…
風「【ある男に追われているから助けて欲しい。
1時間後、〇〇という潰れたカフェの前で待ってる。】
……降谷さん、これは…」
「ああ…きっと罠だろうな。」
ヒロがこんなメールを出すわけが無い。
助けて欲しいなんて、公安の人間は絶対口にしないからな。