第58章 公安
そして、3日後ーーーー
『はぁっ……はぁ…』
私は仕事をしている最中に美和子ちゃんから連絡をもらい
急いで事務所を出て、走って病院に向かっている。
病院に着いてからもひたすら走り続けて
事前に聞いていた病室の前に辿り着き、ドアを勢いよく開けた。
そこには東社長と同じように包帯が所々に巻かれて
ベットに横たわっている伊達君の姿があった。
『はぁ…はぁ……伊達くん!大丈夫!?』
伊「おー美緒も来てくれたのか。
わざわざ悪いな。」
『美和子ちゃんから…連絡もらったの…。
車に轢かれそうになったって本当!?』
伊達くんは張り込みを終えて道を歩いていたところ
急に車が歩道に突っ込んできて、危うく車の下敷きになるところだったと言っていた。
伊「咄嗟に避けたからこの程度の怪我で済んだ。
明日には退院できるってよ。」
『良かった!!もう…心配したよ!』
東社長が襲われたことで
伊達くんの事故も何らかの関係があるんじゃないかと思って私は急いで病院に来た。
病室には高木君と美和子ちゃんもいて
詳しく話を聞くことにした。
佐「伊達さんを車で轢こうとした運転手ですが、
逃げようとしていたところを高木くんが逮捕してくれました。」
『ねぇ…それってまさか…』
高「ええ。東社長を襲った犯人と同じように
お金で雇われて狙ったそうです。」
…やっぱりそうか…。
佐「その犯人は
残念ながら東さんを襲った犯人ではありませんでしたが、
誰に雇われたのか聴取しているところです。」
『そっか…。また何か分かったら教えて?
じゃあ伊達くん、私仕事の途中で抜けてきちゃったから帰るね。』
伊「おう。またな美緒。」
伊達くんに手を振ってから病室を後にし、私は仕事に戻った。
これ以上、私の周りの人達が誰も傷付かないことを祈っていたが……
その願いは簡単に打ち砕かれた。