第58章 公安
佐「襲われた原因に心当たりはありますか?」
東「うーん…。思い当たらねぇな。」
そりゃあそうだ。
社長はすごくいい人だし、
人から恨まれるようなことをするわけがない。
高「犯人達とは、何か会話をしましたか?」
東「いや。何者か聞いても答えなかった。
…あ、でも俺が倒れちまって奴らが立ち去る時にちょっと聞こえたんだけど
金が手に入るー!とか騒いでたな。」
お金……?
葉「誰かに金で雇われて社長を襲ったってことっすかね?」
梢「そんな……!酷すぎるわよ…。」
本当にひどい人達だ…
大人数で社長1人を襲うなんて…なんでそんな酷い事ができるんだろう…。
東社長は目暮警部達の質問にいくつか答え、
一通り聞き終えたところで、事情聴取は終了した。
目「貴重なお話、ありがとうございました。
また何か思い出した事があれば教えて下さい。」
佐「では、我々はこれで。」
高「お大事にして下さい。」
『…社長、私は出口までこちらの方達を送って来ます。』
東「おー、よろしくなー。」
私も目暮警部達と病室を出て、
病院の出口に向かって歩き出した。
高「まさか美緒さんの会社の社長が襲われるなんて…
一体犯人は何が目的なんでしょうか?」
佐「金銭目的の犯行じゃ無さそうだし…」
『…社長をあんな目に合わせた犯人、絶対見つけて下さいね。』
目「ああ、任せておけ。
今現場近くの防犯カメラの確認をしているから
犯人が捕まるのは時間の問題だと思うよ。」
ということは、社長を襲った犯人は
そこまで頭が回らない素人で……
ただのチンピラってとこかな?
佐「本当に物騒な世の中よね。
次から次へと事件が起こるし。」
目「まぁな…。今回の事件と同じように
最近公安の刑事達が襲われているって噂もあるしな。」
『!!
え………そんな事が起きてるんですか?』
高「ええ。幸い死者は出ていませんが
東さんのように重症者ばかりで…
公安部はかなりピリついているようです。」
嘘……
やっぱり気のせいじゃなかったんだ…!
何でそんな大事なこと
零くんは私に教えてくれないの!?