第58章 公安
病院に到着し
葉山から聞いていた病室の場所へ急いで向かった。
ドアのそばに書いてある社長の名前を確認し、
ノックをしてから病室に入った。
『社長っ!!…っ。』
梢「ひどい怪我…大丈夫ですか!?」
ベットに横たわる社長は全身に包帯がたくさん巻かれていて
顔には痛々しい痣ができていた。
東「おー。2人ともわざわざ来てもらって悪いな。
久しぶりに暴れたけど相手の人数多くてな?
このザマだ。』
社長はいつも通りの穏やかな雰囲気で笑っていたから
私と梢さんはとりあえず社長が生きていた事に安心し
ホッと胸を撫で下ろした。
葉「社長に電話したら救急隊の人が出るから本当に焦りましたよ!」
東「ははっ、悪かったな。
たまたま近くを通りかかった人が救急車を呼んでくれたらしいんだ。」
その通行人には今度お礼しないと…。
そう思っていたら病室のドアがノックされる音が聞こえて
社長が返事をすると目暮警部と高木くん、美和子ちゃんが病室に入って来た。
目「失礼します。警視庁の目暮です。
少しお話をお伺いしたいのですが…よろしいですか?」
佐「っていうか何で美緒先輩がここにいるんですか!?」
高「被害者の東さんとはお知り合いですか?」
『東さんは、私の勤め先の会社の社長だよ。』
そういえば彼らに社長を紹介した事はなかったな…
どうやら目暮警部達は事情聴取にきたようだった。
目「東さん、襲われた時の事を教えて頂けますか?」
東「うーん……目出し帽被った奴らに囲まれて
驚いてたらいきなり殴りかかってきたんですよ。
人数は10人…いや、15人はいたな。」
『…そんな大人数相手にしてよく生きてましたね。』
東「俺もまだまだ現役でボディーガードやってるからな。
お前らと一緒で、見えないところで実は鍛えてるんだよ。」
…やっぱり社長はかっこいい。
普段は緩い口調でやる気なさそうに見える時もあるけど、
陰ではしっかりやることやっているんだな。