第57章 出張
『若山 美緒といいます。
元警察官で、今はボディーガードの仕事してます。』
「!!そうですか……あなたが………。」
…ん??
「いえ、何でもありません。
………すみませんが、彼女の言う通り
先に女性警察官を呼んで身体検査をして下さい。」
諸伏さん、と名乗る方は部下の人に指示をしていて
すぐに女性警察官の人による私達の身体検査が行われた。
タオルを取るだけだからすぐに終了し
その後、鑑識の人達による現場検証が行われていた。
私達は捜査の邪魔にならないように脱衣所を出て
ロビーの椅子に座り
遺体発見時の状況などを警察に説明した。
諸「お話を聞く限り、
犯人は被害者の友人であるあなた方3人の中の誰かということになりますね。」
まぁ、やっぱりそうなるよね。
3人の女性達は、各々私はやっていない!と訴えている中
諸伏さんは一人一人から話を聞いていた。
梢「まさか殺人事件に巻き込まれるなんてね…。」
「人生何が起こるか分からないものね。」
『大丈夫ですよ。
きっと警察の人がすぐに犯人捕まえてくれますって。』
あの諸伏って人…
どうやら階級は警部らしく、口調や雰囲気からして
相当頭がキレる人っぽいから犯人が捕まるのも時間の問題だな。
3人の容疑者である女性達は、被害者を残してサウナを出た後
1人は私たちと同じ温泉に浸かり、
他の2人は露天風呂と水風呂に入っており、それぞれ別行動をしていたらしい。
そしてずっとサウナに入りっぱなしの被害者を心配して
様子を見に来たら血を流して倒れていたとのことだった。
諸「若山さん、
あなたがお風呂に浸かっていた時、この女性は見かけましたか?」
諸伏さんは私達と一緒のお風呂に浸かっていたと証言した女性を指差しながら尋ねて来た。