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《降谷夢》bonheur {R15}

第57章 出張




「警察が来るなら…服くらい着てもいいかしら?」

『それはだめです。疑われない為にもこのままでいましょう。
服を着るのは身体検査が終わった後です。』


「身体検査って…どういうこと?」
「まさか…私達の中に犯人がいるって疑ってるの!?」
「友達の私達がそんなことするわけないじゃない!」


わたしに対して怒りを露わにしている女性3人…。

彼女達を落ち着かせる為に、私は説明することにした。



『怒りたくなる気持ちも分かりますが…
被害者が発見されるまでの間に
私達以外サウナに入った人はいませんよ?
それに凶器も遺体のそばに落ちていなかった。』


「「「………。」」


梢「私、先に脱衣所に出て2人を待っていたけど
その間浴室に入った人もいないし、脱衣所から出て行った人もいなかったわよ?」


今日は平日でお客さんが少なかったから
梢さんも覚えていたんだろう。


つまり、あの被害者を殺害できたのは
友人であるこの3人だけという事になる。


私はずっとクライアントの女性と一緒にいたからね…。



しばらくするとパトカーのサイレンが聞こえて来たので
警察をお出迎えする為、一旦1人で脱衣所を出た。


裸にバスタオルだけ巻いた状態だから寒いし少し恥ずかしいけど…


そんな思いするのは私だけで十分だ。



外に出ると刑事さんらしき人達がわらわらとやってきて
私の姿を見るとギョッとしていたが、
責任者らしき人が落ち着いた様子で私に向かって歩いて来た。



あれ……?この人…



誰かに…似ているような気がする…。




「今回の事件を担当することになった長野県警の諸伏です。」



諸伏………?

まさか私の友人の諸伏くんの親戚…なのかな?


じっとその人の顔を凝視していると
首を傾げながら変な目で見られてしまった。


『あ、どうも…。
現場に居合わせた客の1人です。
すみませんが、女性警察官の方はいらっしゃいますか?』


「…理由をお伺いしても?」

『脱衣所には私と同じような状態のままの女性が5人いるんです。
身体検査されるかもと思ったので
念の為服は着ずに、あなた方警察を待っていました。』


「成程。貴方の名前をお聞きしてもよろしいでしょうか。」

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