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《降谷夢》bonheur {R15}

第56章 美容



『…ごめんなさい。
私もこんなことになるとは思わなくて…』

「…。」

『電話…かけ直すのも忘れててごめん…。
雑誌を見たっていうクライアントの人達からの電話対応でバタバタしちゃってたから……』

「はぁー…。」

『ごめん零くん!許して!』


深いため息をついている零くんに
さっきからずっと必死に謝っているけど
なかなか許してもらえそうにない…。




「こんなことになるなら許可出すんじゃ無かったよ…。」

ですよね。普通そう思うよね…。

私が下を向いて落ち込んでいると
零くんは私の向かいから隣に移動してきて
そのまま優しく頭を撫でられた。


「そんなに哀しそうな顔しないでくれ。」

『だって…零くん怒ってて怖かったもん…。』

「自分の彼女のあんな可愛い顔を世の中に晒されたんだ。
怒るに決まってる。」

……。

可愛いって………嬉しいけど照れる…!
でもやっぱり嬉しい気持ちが強くて、我慢できずにニヤついてしまった。


「ニヤつくな馬鹿。」
『ご、ごめん…。』
「全く…なんであんな写真撮られたんだ?」
『えーっと、あれは確か……
カットしてもらってからみんなでお茶してた時……っ!!』


そうだ……あの時だ……!

表紙のあの写真は、
カメラマンの人に不意打ちで撮られたものである事を思い出した。


「?どうした?」
『…何でもない。』
「いつ撮られんだよ。早く言え。」
『やだっ!』
「言わないならしばらくの間お前をここに監禁する。」


…監禁!?それ普通に犯罪ですけど!?
公安のゼロがやっていいことじゃないよ!


『そんなことしたら零くん捕まるよ。』

「バレないようにやるから大丈夫だ。」

『……あーもう!
分かったよ!言えばいいんでしょ!?』

「なんで怒ってるのか知らないが早く言え。」



零くんは私の顔をじーっと見ながら話し出すのを待っていたので
私は意を決して、写真を撮られた時のことを話すことにした。


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