第56章 美容
side 降谷
今日は美緒が載る雑誌の発売日ーーー…
仕事は少し落ち着いているしポアロのバイトも休みだから
帰りに本屋でその雑誌を買ってから美緒の家に行こう、と仕事をしながら考えていると
風見を含む複数の部下が慌てて僕の元へ向かってきて、
手には一冊の雑誌が抱えられていた。
風「ふ、降谷さん……!あの、これ!」
「あぁ、美緒が載っているんだろ?
あいつから聞いてる。」
風「えっ……そうなんですか!?」
風見は信じられない…というような目で僕を見てきたから
何か変だと思い、詳しく話を聞くことにした。
「顔はそんなに映ってないだろ?
カットモデルをしただけだと聞いている。」
風「…いや、あの………
これを見て下さい…。」
風見に見せられたのは雑誌の表紙。
そこには普段なかなか見せない
穏やかに笑った美緒の可愛い顔が映し出されていた。
「…っ、…なんだ…これは…」
風「他の捜査官が本屋に寄った際に見つけたようでして
やはり降谷さんもご存知なかったんですね。」
当たり前だろ!!
表紙に載るなんて知ってたら、絶対許可なんかしない!
僕は頭を抱えながら美緒に電話し
数回コール音がなった後、彼女が電話に出る音がした。
「美緒…一体どういうことだ!
なんでお前が雑誌の表紙に載っているんだよ!』
こんな可愛い顔を晒して、どういうつもりなのか聞こうと思ったが
どうやら美緒も知らなかったようだった。
『!!ごめん零くん!一旦切るね!』
「は!?おい、美緒!?」
美緒は僕の返事も聞かずに電話を切った。
僕はため息をつきながら椅子に座り、机に両肘をついて
項垂れていた。
風「……降谷さん…?」
「風見……都内の本屋回ってこの雑誌買い占めてこい。」
風「!?それは……無理です…。」
「…だよな。きっともう手遅れだ。」
風「先ほど部下から聞いたのですが
SNSでもすごい話題になってるそうですよ。」
……そうだろうな。
美緒は綺麗ですごく可愛いし…
この表情からは色気も感じてしまう程だ。