• テキストサイズ

《降谷夢》bonheur {R15}

第55章 決闘



「っ!?痛っ、…美緒…ちょっと苦しい。」

『だ、って……!
れ、れいくんから2週間も……連絡、来ないから…!
もしかしたら、き……嫌われたかもっ、て思って……』


涙ながらにそう言う私の背中を
零くんは優しくトントンと叩いてくれていた。


「ああ…ごめんな…。
松田と話す前に美緒と連絡取ったりしたら…。」

『?したら、なに…?』

「美緒に……八つ当たりする気がしたんだ。
そんなことしたらお前を傷つけて僕が嫌われるかもしれないだろ…。」


だから連絡しなかった、という零くんに驚いてパッと離れ彼の顔を見ると
少し恥ずかしそうに私から目を逸らしていた。

私に嫌われることを恐れている零くんが愛しくてたまらなくなって…
私は自分から零くんの唇にキスを落とした。


「…っ!?」

『好きだよ、零くん。
わたし……零くんが大好き!』

「僕も…美緒が好きだ。
二度と他の男とキスなんかするなよ?」

『しない!!零くんだけ!』

「じゃあ……もっとたくさん美緒からキスしてくれ。」

『!?っ、え!?』

じゃあ、って何!?じゃあ、って!!



「たまには美緒からキスされるのも悪くないからな。」


そう言いながら、私の背中に手を回して距離を詰めてくる零くん。
少し顔を近づけるだけで、唇が触れてしまいそうだ。


『で、も……
零くん口元も痛いんじゃないの……?』

「少しな。でも今は美緒とキスがしたい。」

『…〜っ!!』


優しい声色でそんなことを囁くから
私は断る事ができず、再び彼の唇に自分の唇を押し当てた。



『…はい!もうおしまいね!』
「全然足りない…。」
『…っ、続きは怪我が治ってから!!』
「はぁ……仕方ないか。
そのかわり、怪我が治ったら覚悟しとけよ?
たくさん消毒してやるからな。」
『!?』


ニヤッと笑った零くんは
イタズラ好きの無邪気な子供のように見えて少し背筋がゾッとしたが…





……彼のそんな表情もまた好きなところの一つなんて
口が裂けても言わないからね…!











/ 1020ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp