第55章 決闘
松「ゼロ。
美緒に直接謝りてぇからまた今度会わせてくれ。」
「……美緒と2人にはしないからな。」
松「お前も一緒にいてくれてかまわねぇよ。
……んじゃ、またな。」
松田は班長と萩原に支えられながら帰って行き
僕もヒロに支えられながら歩き出した。
「ヒロ、僕はこのまま美緒の家に向かう。」
「そう言うと思ったよ。」
…やはり長い付き合いなだけあって
僕の行動パターンは完全に読まれていた。
その後、近くに停めてあったヒロの車に乗り
美緒のアパートに送ってもらったが彼女の部屋の電気はまだついていなかった。
「美緒ちゃん、まだ帰ってないみたいだね。」
たぶんまた仕事が忙しいんだろう…。
きっと美緒のことだ、
爆弾事件の時に何日間か休んで迷惑をかけたから
その分働いているんだろうなと簡単に予想がついた。
美緒の部屋に2人で入り、
ヒロは僕の傷を手当てし終えるとすぐに帰って行った。
「美緒……早く帰ってこい…。」
僕はソファーに座ったまま美緒の帰りを待っていたが
だいぶ疲れが溜まっていたせいか、強い眠気が襲って来て
我慢出来ずに瞼を閉じてしまった。