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《降谷夢》bonheur {R15}

第4章 卒業



美緒が松田に好かれていることは知っていた。
あいつは分かりやすいから……

それに…正直告白するとは思ってなかった。



そのことを聞いた時は、
柄にもなく嫉妬して、勝手に不安になっていた。


だから美緒にあんな聞き方をしてしまったんだろうな。


最低なことをしたと思う…



でも……あいつのあの時の表情と言葉で
僕を思ってくれていたことが伝わってきたから…
それがとても嬉しくて
気づいたら無意識に美緒を抱きしめていた。


抱きしめたままずっと離したくなかった。


僕の腕の中にずっと閉じ込めていたかった。


でもそれは…

今の僕には許されないことだ。



ずっとそうしてるわけにもいかなかったので
彼女から身を離して、手を繋いで学校までの道を歩いた。


このまま時間が止まればいい…



美緒の手を握りながら
僕はそんなことをずっと考えていた。


こんなにも美緒のことが好きなんだと実感したんだ…




今日のことは一生忘れないだろう。












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