第55章 決闘
side 松田
「はぁー………」
警視庁で報告書の作成をしている俺は
パソコンと向き合いながらながら盛大にため息をついた。
佐「どうしたの松田くん。
そんなに深いため息ついちゃって。」
隣の席に座っていた佐藤は不思議そうな目で俺を見ている。
ため息つきたくもなるって…。
ハロウィンに起きた爆弾事件が解決して
少しは落ち着くかと思ったら、相変わらず事件事件の毎日で休む暇ねぇんだから…。
殺人に強盗に脅迫……
本当にこの街は呪われてるんじゃないかと思わされるくらい
いつも何かしらの事件が起こっている。
伊「お前が担当してる事件
明日くらいにでもカタがつく予定なんだろ?
しっかりやれよ、松田刑事?」
「…分かってるっつーの。
班長こそヘマして犯人に逃げられんなよ?」
伊「んなことするわけねぇだろ!」
班長と軽く談話した後、俺は再び報告書の作成に戻り
宿舎に帰る頃には深夜0時を過ぎていた。
翌日…
俺が担当していた事件は令状をとって無事に犯人を逮捕することができ
それを目暮警部に報告したら俺の疲れ切った顔を見て今日はもう家に帰って休めと言ってもらえた。
明日はもともと休みの予定だ。
溜まっていた報告書は昨日のうちに終わらせたし…
目暮警部の好意に甘えて
俺は宿舎に帰ってすぐベットに倒れ込んで死んだように寝た。
ーーーーーー……
目が覚めると外は真っ暗。
…時刻は夜8時を過ぎたところだった。
「やべぇ…寝過ぎた。」
帰ってきたのは昼過ぎで
そこからずっと眠っていた自分に呆れながら、
コンビニで買ったもので適当に晩飯を済ませ部屋で寛いでいると、
机の上に置いてあったスマホが鳴り、画面には非通知と表示されていた。
「…やっときたか。」
電話に出るとずっと連絡を待っていた奴の声が聞こえてきた。
「まだ仕事中か?」
「いや、宿舎にいる。」
「…警察学校の近くにあった公園に来てくれ。
そこで待ってる。」
…。
俺の返事を聞かずに電話を切ったゼロの声は
かなり怒りを含んだ声だった。
たぶん美緒から俺がしたことをすでに聞いたんだろうな…。
俺は適当な服に着替えて
ゼロが指定してきた公園に向かった。
…半殺しにされるの覚悟してな。