第53章 昔話
零「…それが聞きたかったんだよ。」
「!!」
プラーミャは声を発したヘリのパイロットの方を向くと同時に
手に持っていた爆弾の起爆装置を蹴り飛ばされ、
右肩を突かれると、ゴキっと音を立てて脱臼し
肩を押さえ地面に転がった。
「…っ、お前は……降谷 零!!」
パイロットに扮していたゼロはヘリから降りプラーミャに拳銃を向けていた。
伊「…やれやれ、やっとご登場か。」
諸「爆弾の在処をようやく吐いてくれたからね。」
松「ゼロとボウズの作戦通り、うまくいったな。」
「な…に…!?どういうことだ!」
零「お前を捕まえようと思えばいつでも出来た。
でもそうしなかったのは…」
コ「爆弾の在処を吐かせるために
わざとここまで泳がせていただけだよ。」
俺達3人もプラーミャの元へ近づき、
持っていた拳銃を構えた。
松「もう逃げられねぇぞ。お前の負けだ。」
プラーミャは流石にこの状況を覆す事はできないと諦めたのか
大人しく手を上げていた。
零「お前にはもう一つ聞きたいことがある。
なぜ彼女を……美緒を巻き込んだんだ。」
奴にその質問をしたゼロは
爆弾をつけられた美緒を思い浮かべているのか
プラーミャに対してかなり怒りを含んだ目つきをしていた。
「あの女は…貴様らの大事なお姫様なんだろう?
爆弾をつけてやれば少しは貴様らの焦った顔が拝めると思ったが…どいつもこいつも顔色一つ変えやしない。
正直言ってつまらなかったよ。」
諸「そんな理由で…!彼女をあんな目に遭わせたのか!」
「ふっ……すぐに殺しても良かったんだが
貴様らを殺した後に始末するつもりだったんだよ。」
伊「…とんだクソ野郎だな。虫酸が走る。」
松「テメェだけは絶対に許さねぇ…。
罰はきっちり受けて貰うからな。」
銃を構えたまま
プラーミャに手錠をかけようと歩み寄ると
ニヤッと笑い何かを企んでいるようだった。