第53章 昔話
『へぇ。そんなことがあったんだ…。』
だからわたしを襲った時、右腕以外で攻撃してきたのか。
きっと後遺症があるんだな。
……もうそんなことどうでもいいけど。
コ「美緒さん?どうしたの…?」
コナンくんの言葉はもう私の耳に入らず
わたしは怒りに震えていた。
『私の零くんになんてことをしたんだあのお面野郎は!!
ぜーーーーったい許さない!!
今度会ったらボコボコにしてやるんだからー!!!!』
ガラスの中で叫んでいる私を
3人はビクッと肩を震わせてから引くような目で私を見ていた。
「だから美緒に余計なこと言うなって言っただろ…。」
零くんはため息をつきながら頭を抱えており、
コナンくんと松田くんは苦笑いをしていた。
松「美緒のあの様子じゃ、
今回の犯人殺されちまうかもな。」
コ「はは、冗談に聞こえないよ。」
「その時は僕が全力で美緒を止めるよ…。」
わたしは犯人が零くんを傷つけたことが許せなくて
どうやって仕返ししてやろうか考えていたから
3人が話していたことは全く聞いていなかった。
その後、コナンくんと松田くんは捜査の続きをするために
シェルターから出て行ったので再び零くんと2人きりになった。
「……美緒、
僕のために怒ってくれるのは嬉しいが、仕返しなんてしなくていい。
正直かなり手強い相手だから。」
『大丈夫!
全く負ける気しないしないから!』
「……(だめだ…全然聞いていない…)。」
わたしは2日間ずっと大人しくしていたけど
空手の技の素振りと、トレーニングをすることにした。
もちろん爆弾を激しく傾けないように細心の注意を払ってね。
ありがたい事にガラスの中の隅の方には
簡易シャワーが取り付けられているから
汗をかいても全く問題ない。
爆弾が濡れないように体を洗うのは少し大変だけど。