第53章 昔話
コナン君は私に気づくとこちらに近づいてきて、
私の首についているものを見て驚いていた。
零くんは持っていた受話器に拡声器を取り付け、
私が話す声を2人にも聞こえるようにしてくれた。
コ「美緒さん…
その首についているものって…」
『うん…爆弾だよ。』
コ「松田刑事から少し聞いていたけど…
本当だったんだ…。」
『それよりコナン君はどうしてここに?』
私が尋ねたところで
松田くんが受話器に向かって話し出した。
松「美緒のことが心配だからここに来たいって言い出してな。
捜査に協力してくれてるから、その礼で連れてきた。」
『捜査に協力って……?』
松「こいつはお前についている爆弾と同じものを見たんだ。
ありがてぇ事に、その液体も採取してくれてな。」
『そうなの!?
もしかして服が少し汚れてるのって爆発に巻き込まれたから!?
コナン君怪我してない!?大丈夫!?』
コ「美緒さん…相変わらず人の心配ばっかりだね。
どこも怪我してないから大丈夫だよ!」
『よかったぁー……。』
「今科学班が成分分析して中和剤を作ってる。
終わり次第すぐに持って来させるからな。」
ようやくここでの生活も終わりが見えてきた…。
わたしが胸を撫で下ろしホッとしていると、
コナン君が口を開いた。
コ「そういえば美緒さんは知ってるの?
3年前のこと。」
「いや……そういえばまだ話してなかったな。」
ひょっとしてみんなが昔取り逃したって言ってた犯人のことかな?
松「俺達は3年前、
お前に爆弾をつけた野郎を追い詰めたことがあったんだ。」
…だから零くんは最初に私の爆弾見たとき
心当たりがあるような顔していたのか。
「やはりあの時捕まえておけば良かったと後悔したよ。
そうすればお前をこんな目に遭わさないで済んだのにな…。」
『だから暗い顔しないでってば…。
それより、3年前のこと早く聞かせて?』
「ああ…わかった。」
松「確かあの時は…俺が捜査一課に移動したばっかだったな。」